ジツガクでは実験経験豊富な講師が「本気の解説」をしています。
こどもたちには、学校ではおしえてもらえない「真理」に近づく感覚をたのしんでもらいたいとおもっています。
たとえば「ムラサキキャベツの煮汁をつかった実験」はご存知でしょうか?
ムラサキキャベツをこまかく切ったところに水を加えてぐつぐつ煮ると、キレイなムラサキ色の煮汁ができます。
(画像準備中)
そして、このむらさき色の液体にお酢をすこしくわえると、あざやかな赤色に変化するのです。
(画像準備中)
この実験はおうちでもかんたんにできるので自由研究のテーマとしてよくつかわれています。
そのためいろいろなサイトやYouTubeで実験がアップされているのですが、ほとんどの解説はだいたいこんな内容です。
「ムラサキキャベツの煮汁の正体は『アントシアニン』だ!」
「アントシアニンは中性のときはむらさき色だけど、酸性になると赤色に変わる!」
とてもシンプルでわかりやすい解説ですが、すこし好奇心旺盛なこどもであれば「じゃあ、なんで酸性になると赤色になるの?」と考えてしまいそうです。
液性によってアントシアニンの色が変わるのは分子構造の変化に依存しています。
(画像準備中)
この微妙な構造の変化によってアントシアニンが吸収する光の色が変化し、のこった色がぼくたちの目にとどいているのです。
(画像準備中)
こういった「真理」にかなり近い解説に関しては、高校や大学レベルの知識が必要になるので、ほとんどの学校や塾の先生、あるいは科学実験系YouTuberでは解説できません。
おとなに説明するのもむずかしいような内容なので、もちろんこどもにとってはわけのわからない話だとおもいます。
だいたい小学3,4年生ぐらいまでのこどもはポカーンとしながら聞いているのですが、これが5年生や6年生になってくるとけっこう真剣に聞いてくれます。なかには分子構造の変化に関して質問してくるような猛者もあらわれ、こちらもおどろかされます。
高校や大学での勉強をしていないなかでこういう解説を聞いても完全に理解することは現実的にはほぼ不可能なのですが、世の中の現象にはそうした「真理」があると知ってほしいというおもいで本気の解説をつづけています。
「なんで色が変わるの?」という疑問に対して「そういうもんだから」と答えてしまってはせっかく養われかけた好奇心や探求心があっというまにきえてしまいます。
究極的には「人はなぜ生きるのか」みたいな哲学的な話になってしまうと思いますが、そのギリギリのラインまではできるかぎり「真理」に近づくお手伝いをしたいと考えています。